文章を書く場所
写真は、実家のある銚子の古い図書館です。
奥の敷地の建物がいまは図書館になっているので、この古い建物はまた別の使い方がされているようでした。このときは、上の階の方から、複数の女性たちの賛美歌のような歌声がやわらかに聴こえてきました。
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作家の人たちが文章を書いているときの様子が書かれているエッセイなど、とても興味深く読んでいます。
10分足らず電車に乗れば行けるお気に入りのホテルへ出向き、さっとシャワーを浴びてから原稿を書き始める。夕方には、お手伝いさん(昭和30年代頃の話)が冷たい紅茶の入った水筒と白蒸しパンを夜食にと届けてくれる。そして、夜通しかけて原稿を書き、ゆっくりと眠る。
そして、また別の女性作家は、朝の一番列車の汽笛の音で毎日必ず正確に目覚め、釜戸に火を起こして米を炊き、日中は畑仕事、真夜中に泣く子をおぶって机に向かい原稿を書く。そのペン先は割れて紐でしばってある。
自宅で一日中コトコトとスープを煮込んでいる間、じっくりと原稿を書く女性作家のエッセイも思い出しました。時折り、煮込み具合を見ながら、野菜を入れる順番を気にしながらペンを走らせる。
書き終える頃には、肉も野菜もトロトロのポトフの出来上がり。
私は古本屋なので、文章を書くといったらこのブログしかないのですが、書く場所はというと、市場の帰りの電車の中や、帰りがけに立ち寄ったスーパーのベンチに腰掛けて書く、といった感じです。