暮しの手帖について
一冊の古い暮しの手帖を目にし手にとった瞬間から、わたしの運命は大きく方向を変え、長年勤めた会社を退職し、その後まもなく古本屋となり、いまは自分が暮しの手帖をお客さまに売っています。
まず最初に読むのが、「ある日本人の暮し」という連載でした。
日本のどこかに住んでいる見知らぬ人々の暮し。
二人の子どもを育てながら「みどりのおばさん」を仕事としている働く主婦の一日。都会の真ん中で深夜まで小さな青果店を営むある夫婦。店にはトイレもなく、確か新橋の駅までわざわざ行かなければならなかったと言っていた若い奥さん。真夜中になって二人でようやく卵かけご飯を夕飯にしていたのでした。戦後まもなく両親を亡くし、雨漏りのするトタン屋根の家に肩を寄せ合って暮していた兄妹が、ある日抽選で新築の公団が当たり楽しそうに暮していた毎日。誌上で編集部が花嫁花婿を募集していたけれど、あの二人はその後それぞれ結婚したのだろうか。
今日は、イベントで販売する暮しの手帖の値付けをしていました。そこに厚焼き卵のサンドイッチの作り方が載っていて、それが実においしそうだったので、明日の朝食に早速作ろうと考えています。パンにマヨネーズとマスタードを薄く塗り、味付けは塩のみの卵をバターで焼き上げた厚焼き卵を挟みます。
温かいミルクコーヒーか、ミルクティーをお供に楽しみたいと思います。