数年前、それは、神保町の古書街で起こった不思議な出来事です。
20代後半頃に実家を新築した際、ダンボール箱ごと行方不明になってしまった雑誌や本があるのですが、そうして無くしてしまった本や雑誌をいまでも少しづつ見つけて買い集めています。
その日も、そんな風に神保町の古書店にふらりと入ったときのことでした。成人式の日に着るための着物選びの参考のために当時購入した雑誌「anan アンアン」の着物特集の号を探していました。
そのお店は雑誌専門店なので、いろいろな雑誌のバックナンバーがずらりと棚に収められており、アンアンだけでも一体どれぐらいあるのだろうかと棚を見上げて途方に暮れました。どうしたらいいかと考えた末、まずは、心も頭の中もクリア(無)にして、導かれるままに右手を本棚に差し出してみました。そうして吸い込まれるようにぎっしりつまったアンアンの中から一冊抜き出してみました。それはまさしく私が探していたアンアンの着物特集でした。
購入当時、一目惚れしてしまった一枚の着物姿の女性の写真。しっとりとした藤色のこんな着物を成人式の日に着てみたい。そう思って、呉服店で着物を選ぶ際にとても参考になりました。
ただの偶然なのかもしれませんが、これは実話であり、無事にあのときのアンアンと再会を果たしたのでした。
高校生の頃に大好きだった占いの雑誌「My Birthday」と「Lemon」もまた見つけて読み返してみたいと思っています。