いち古本屋から見た「東京蚤の市」

「第7回東京蚤の市」無事に終了しました!
まずはご来場頂いたたくさんのお客様に厚く御礼申しあげます。

一年を通じて様々なイベントに出させて頂いている古書モダン・クラシックですが、やはりこの「東京蚤の市」は特別です。何が特別と言って、「入場料を頂戴するイベント」これに尽きます。
ご存知のように「東京蚤の市」は入場料500円(小学生まで無料)。つまりあの会場にいる大勢のお客様は、入場料を払って「東京蚤の市」を楽しみに来ているお客様。たくさんの素晴らしき出店者の中のいち古本屋にすぎない当店ですが、やはりこの一事は私たちにとって「特別」なのです。
もちろんこの「入場料」の中には、あの隅々まで行き届いた会場の準備(例えばステージの装飾や、いろんな場所に置いてあるイラストや看板など)は無論、すべて無料で観ることができる各種催しものやミュージシャンのライブなどの対価もあるでしょう。でも「東京蚤の市」は、人々が古き良きものと出会う古道具と古本と古着の祭典。つまりわれわれ出店者も、出演者の一部であるわけです。
だから他のお店と同じく、当店も毎回趣向を凝らして、できる限り精一杯のことをやって「東京蚤の市」を迎えたい。「売れるかどうか?」は無論、「入場料に見合うかどうか?」。この「プレッシャー」こそが「東京蚤の市」を「特別」なものにしている理由だと思うのです。

お陰様で今回も、ダンボール十数箱分の古本が、麗しき古本好きの紳士淑女&お子さんの元に飛び立っていきました。本当にありがとうございます。でも私とカミさんの間では、すでに次の準備が始まります。次回の「東京蚤の市」をお楽しみに!

nomi0701会場前の古本屋街の様子。

nomi0702今回は前回よりスペースも古本も約2倍にして臨みました!

nomi0703前日搬入と当日、時間をたっぷり使ってカミさんと私で準備しました。次回は誰かバイトで雇いたい。。。

nomi07042日目の様子。今回は外国人のお客様が多かったです。

nomi0705八角テントステージでのライブの様子。東京蚤の市では無料でいろんなステージを楽しむことができます。

nomi0706当店の様子。今回もいろんなお客様と本の話ができて楽しかったです。

nomi0707今回は個人的に古道具を何点か購入。これは古道具あらい & OCTOPAさんで購入した本棚。1万2千円也(安っ!)。早速自室に設置。これまでダンボールに入れてしまい込んでいた個人的な蔵書を並べる。やはり自分の骨肉になっている個人的な本は、いつも手に取れるところに置いておきたい。

当店の次回の参加イベントは、5月30日(土)と31日(日)に調布駅前広場で開催される「GOOD FOOD MARKET」です。よろしくお願いいたします!

古書モダン・クラシック的「東京蚤の市」。

いよいよ今週末は第126回・・・ではなく第7回目の東京蚤の市。毎回たくさんのひとで賑わうトーキョーの古いものの祭典。今回よりなんと!古着のお店も加わって鉄壁の布陣と相なりました。お店の一覧はコチラ。出店者紹介を見るだけでも一日かかりそうです。いや、本当に一日かかりました。「あんな店も?」「こんな店も!」「げげっ高知から来るの!?」「くっそーいい古本持って来やがって」・・・結局同業者が気になる私(笑)
第1回目から(正確にはプレイベントから)出店させてもらっている当店も、この東京蚤の市だけは格別。言うなれば古モノ業界の紅白に出るような、そんな感じで毎回準備いたしております。あーーいつの日かこのプレッシャーから解放されてお客さんとして東京蚤の市を満喫したい!!いや、でも半年かけて集めた古本を喜んで買っていただくお客さんを眺めるのも楽しい!!
とにかく。今週末ですよ東京蚤の市。天の気にも恵まれて2日とも晴れ不可避。というわけで当店の準備した古本の一部を紹介します!

【女性向けふるほん】byカヨ
IMG_2492 今春の東京蚤の市では、さわやかな新緑の季節をテーマに緑にまつわる本をいろいろ集めてみました。森・樹・草・花の写真集やエッセイなど、読みながら心も身体もリラックスできるような本ばかりです。ページをめくるたびに森林浴をしているような気持ちになる「森の本」。そして、フィンランドの美しい森の写真と歴史が記された「フィンランド・森の精霊と旅をする」。

IMG_2501京都の古民家に暮らすベニシアさんの「ベニシアの庭づくり」は、料理やコスメなどに使えるハーブの育て方や収穫法などが美しい庭の写真とともに紹介されています。もう一冊は、木立や野原に囲まれた美しいストックホルムに住む人々の「北欧ストックホルムのガーデニング」。

IMG_2495野草の料理の著書でも知られる甘糟幸子さんの「花と木の歳時記」は、1月から12月まで日記風に綴られた植物のエッセイ。六花亭の包装紙のデザインをされた北海道出身の画家・坂本直行氏の「わたしの草と木の絵本」は、清楚で美しい作品の数々とその植物にまつわるお話がまとめられた植物図鑑のような本です。そして、雑誌「婦人之友」の表紙絵を手がけられていた洋画家・深沢紅子さんの「野の花とあそぶ」は、移りゆく季節の草花と日々の暮らしにまつわるエッセイです。

IMG_5778正確には数えておりませんが、絵本だけで約1000冊ご用意できたと思います。
比較的新しい絵本がメインですが、その中から、古い時代の絵本をアップしてみました。

IMG_5780ロシアのおはなし「もりのようふくや」(1962年)と、世界傑作絵本シリーズの中から「くまのブウル」と「かわせみのマルタン」(1965年)。

IMG_5782個人的に大好きな堀内誠一さんの科学絵本シリーズ「こっぷ」と「かげ」。

IMG_5784ブライアン・ワイルドスミスのイギリス オックスフォードえほんシリーズの中から「とり」と「さかな」(他にも持って行きます)。

IMG_5787その他に、暮らしまわりの実用書やエッセイ、雑誌なども今回はたっぷり並べます。
毎年たくさんご用意していますが、それ以上にたくさんのお客様にお越しいただけるので、今回はさらにさらに楽しんでいただけるのではないかと思っております。
<カヨ>

【男性向けふるほん】by店主
IMG_5788今回は写真集多めです!

IMG_5793雑誌もたくさん持っていきます!
あとはいつもながらの、カミさんに白い目で見られながらシコシコ集めた一風変わった単行本!

IMG_5796霊的な(?)本。右は「千里眼事件」で有名な福来友吉博士の本ですよ!

IMG_5798つげ義春的な。。。店主は採石マニアなので。

IMG_5800これは「トヨタ本」?

IMG_5802軍靴が・・・(以下略)。

IMG_5804「これが〜だ」シリーズ(ウソ)。

店主(私)は今回も、古本的価値はないけどちょっと他では見られないような、珍しい、一風変わった、一体どこで見つけてきたんだ!?という王道ニッチ路線で挑みます(キリっ)。くっだらない本から背筋がシャキンとする純文学、社会問題、サブカル、写真集、雑誌などなど。ご笑覧いただければ幸いです。<店主>

今回は前回の秋の東京蚤の市よりスペースも拡大して在庫も約2倍!
それでは皆さん、東京蚤の市でお会いしましょう。

⚫︎「古書モダン・クラシック」出店者紹介ページ
http://tokyonominoichi.com/2015_spring/archives/exhibitors/p306

本とコーヒー tegamisha

手紙社さんの新しい柴崎のお店「本とコーヒー tegamisha」4月1日にオープンとなりました。今日開店前にちょっと写真を撮らせてもらったので、オープンしたてホヤホヤのお店の様子をどうぞ!

事前に告知したように、当店も古本の方でちょこっとお手伝いさせてもらってます。手紙舎の本棚担当のカミさんが、日々プレッシャーと闘いながら仕入れに奮闘しておるようです。それについてはおいおいこのブログで紹介していきます。
ではみなさんよい週末を。

詳しくはこちらを☞ http://tegamisha.com/shop#books

行ってきました鹿沼へ!

手紙社さんといういわゆるひとつの「おしゃれテキ屋ファミリー」に所属する古書モダン・クラシック。行ってきました。先週金・土・日と鹿沼へ!鹿沼のカフェフェス in 鹿沼市民文化センター!

いやー大変でした。何が大変って、よりにもよってイベントの日に家族全員が風邪でダウンするという。まずイベントの2・3日前にカミさんが風邪をこじらせて喘息気味となり、次に2歳の息子に伝染り、「イベントがあるのに風邪をひいてプロフェッショナルじゃないね」などとカミさんに偉そうに抜かしていた私(店主)がイベントの前日にホテルで高熱を出すという撃沈ぶり。一時は「イベントヤバいかも…」などと弱気になったりもしましたが、結局鹿沼の熱心な本好きのお客様と手紙社さんのサポートのお陰で無事乗り切ることができました。この場を借りて御礼申し上げます。では現地の写真をどうぞ!

結論から言うと、私は搬入と搬出のみであとは宇都宮のホテルで息子と伏せっていたので一切店番をやってないのですが、カミさんによるとお客さまの反応は上々であったようです。
今回は手紙社さんの他のイベントと異なり、お客様はカフェフェスのチケットを購入された方のみ。ですがいつもの数万人のお客様が来るイベントの半分くらいの売上げがあったので、むしろ購買意欲は高かったのでは?当店としましても、私は男性向け、カミさんは女性向けといつものユニセックスな品揃えを一切妥協なく鹿沼にぶつけたので、お子さんからお年寄りまで喜んでいただけたようです。カミさんによると、うちの品揃えを見て「宝の山だ!」と歓喜された古本女子の方や、「図書館みたい!」と喜んでいたお子様など、嬉しい反応も多々あったそうで。カフェフェスのために用意した「コーヒーに関する古本」も完売し、鹿沼の古本好きのお客様には感謝感謝のイベントでありました。

IMG_1664そんな訳で、今回はとにかくイベントを無事に乗り切ることに精一杯で、観光らしきものができなかったのですが、いくつか心残りが。
ひとつは、前回の東京蚤の市のときに当店のブースに来ていただいたご同業のかぴぱら堂さんが鹿沼在住であったこと。体調が良ければ少し足を伸ばして古通の取材に伺ったのに…残念。
もう一つは、今回僕らは宇都宮のホテルに宿泊したのですが、鹿沼の駅前に渋い旅館が(上の写真)。私は知らない土地に行くとタクシーの運ちゃんに地元のアレコレを聞くのを趣味としてるのですが、駅前の「いせや旅館」、なんと「商人宿」であるとか。話してくれた運ちゃんは「宇賀神」という鹿沼に多いという珍しい苗字の方でしたが、その宇賀神さんによると「いせや旅館は昔から富山の薬売りや各地の商人が投宿する宿」とのこと。商人宿といえば「貧困旅行記」で有名なつげ義春が好んで泊まったという宿。私もある意味「カフェフェス」という縁日で古本をバイするために鹿沼に来たのであるから、立派な商人のはしくれ。ぜひ「いせや旅館」に泊まって、温泉に入りながら、富山の薬売りやネクタイのセールスマンの方たちと商売の話をしたかったなー。次回鹿沼に来る時の楽しみにしよう。